今日は東京でデイトリップ。
三年に一度の本祭を迎えた富岡八幡宮の「深川八幡祭り」へ出かけた。
「水かけ祭り」の名で知られる、深川の夏を代表する祭りだ。
朝から空は厚い雲に覆われ、路面もしっとりと濡れていた。永代橋へ向かうと、いつもなら車が行き交う道を、法被姿の人々と大勢の見物客が歩いている。
淡い青色の橋、灰色の空、その先に揺れる祭りの幟。現代の東京の景色に、江戸から続く祭りの時間がゆっくりと入り込んでいくようだった。

永代橋を渡り、深川の街へ進むほど、人の密度も祭りの熱気も増していった。
担ぎ手たちの背中を埋め尽くす、大きな赤い「祭」の文字。その向こうで、金色の鳳凰を載せた神輿が上下に揺れている。
肩を寄せ、声を合わせ、何十人もの力が一本の担ぎ棒へ集まっていく。沿道から眺めているだけなのに、掛け声の振動が身体の奥まで伝わってくるようだった。

そして、神輿が近づくと景色が一変した。
道路の両側から豪快に水が放たれ、神輿も担ぎ手も真っ白な飛沫の中へ消えていく。水を浴びるたびに掛け声はさらに大きくなり、沿道からも歓声が上がる。
黄金色の神輿、赤い幟、濃紺の法被。そこへ白い水しぶきが重なり、深川の街全体が巨大な舞台になったようだった。

祭りも終盤に差しかかり、富岡八幡宮の正面近くまで来たところで、突然の豪雨に見舞われた。
水かけ祭りを見に来たのだから、多少濡れる覚悟はしていた。けれど、空から落ちてきた大粒の雨は、そんな心構えを軽々と超えていった。僕たちも逃げる間もなく、あっという間に全身ずぶ濡れになった。
ここまで濡れてしまえば、もう傘を差しても仕方がない。顔を見合わせて笑いながら、祭りの水しぶきと雨が混ざる深川の街を歩いた。
三年に一度の本祭で、神輿だけでなく僕たちまで水浸しになる。予定外の豪雨だったけれど、それも含めて忘れられない夏の思い出になった。
静かな永代橋から始まり、担ぎ手の人波へ入り、最後は祭りも見物客も豪快な水の中へ。
東京にこんな夏があることを、あらためて知った一日だった。


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